ゆるゆる中受殴り書き

2020中受終了女子の母が綴るゆるーい記録

帰省 父と母と街並みと

夏休みを利用して、約4年ぶりの釧路帰省。
久々に会った父母はなんだか老いていて、
寂しさと切なさとを感じてしまった。

ガンの闘病とコロナで、
店を閉めたのが2年程前だっただろうか。
やはり仕事がなくなり、
張り合いがないと老け込む要因でもあるのかな。。

温泉に連れて行きたいと言う願いも叶い、
それは喜んでくれた父母。
山奥の川のほとりに佇む隠れ宿に
なんて素敵な場所なんだろうと
ウキウキしている様子が見て取れて、
私もひとつ親孝行が出来たなぁと、
夜中にひとり煙草を燻らせながら考えていると
胸が熱くなってしまった。
まだまだ親孝行し足りないのに、
残された時間は少なくて。

実家でご飯を頂く時、
お腹が一杯になっても
あれこれと食べさせようと躍起になる母。
曲がった背中をゆらしながら、
精一杯のご馳走を次々と楽しそうに作る姿。
自分は食べることが出来ないのに、
ただただ私の喜ぶ顔が見たいのだ。

父は形見分けだと冗談ぽく、
でも恐らく半分は本気で
自身の大切にしていたライターを手渡してくれた。
すっかり古ぼけて、
錆び付いているようなものもあったけど
父にとっては若い頃に集めたお宝。
それらを私に託した上、
さらにまた冗談ぽく、

俺が死んだら金庫の中身のもの全部やるからな、
なんだこんなゴミと思ったら棺桶に入れてくれ

と、笑って言っていた。

街にもシャッターを閉めたままの店舗が増え、
あったはずの建物が消えていた。
新しかったはずの店の通路は薄汚れて
いつの間にやら年季が入っていた。
人も町も年を取るのだなぁと感じてしまった。

いや、きっと思い出が当時のままきらめいていて
現実を見たときに切なくなってしまうのかもしれない。

そして時代は巡って行くんだな、
世代を交代しながら、少しずつ形を変えて。